厚労省が検討、「父親産休」導入への動き
2020/10/07   労務法務, 労働法全般, その他

はじめに

厚生労働省の労働政策審議会は先月29日、子供が生まれた直後の時期に父親も産休を取れる新制度の導入を検討していたことがわかりました。父親の育休取得を社会的に後押ししていく狙いがあるとのことです。今回は育休制度を見直していきます。

育休制度とは

 育児休業制度とは、労働者の養育する1歳に満たない子について事業主に申し出ることによって育児休業を取得することができる制度をいいます。対象となる労働者は申し出時点で1年以上継続雇用されており、子が1歳半までに労働契約期間が満了することが明らかではない者となります(育児介護休業法5条1項)。対象となる子は法律上の親子関係があることが必要で養子である場合も含まれます。取得回数は子1人につき原則として1回(同2項)、期間は子が1歳に達するまでを限度とし本人が申し出た期間となります。なお特例で父親は子の出生日から8週間以内に最初の育休を取得した場合は特別の事情がなくても2度目の取得ができます。また期間も両親ともに育休を取得する場合は子が1歳2ヶ月に達するまでに延長されます(9条の2)。

育休の取得手続き

 労働者が育児休業を取得する場合、労働者は事業主に書面等で申し出ることとなります(施行規則7条1項)。その際事業主は労働者に証明書類の提出を求めることもできます。申し出は休業開始日の1ヶ月前までに行うと希望の日から開始することができますが、これより遅れた場合には事業主が申し出日の翌日から1ヶ月以内の範囲で開始日を指定できます(施行規則11条)。子の出生が出産予定日よりも早まったり、また遅れた場合には申し出ることにより1回に限り繰り上げや繰り下げが可能となります。

平成29年改正のポイント

 育児介護休業法の平成29年改正により、子が1歳6ヶ月以後も保育園に入れないなどの場合、事業主に申し出ることによって育休期間を2歳まで再延長することができます。また事業主は労働者やその配偶者の妊娠・出産を知った場合には個別に育休制度や休業後の待遇などを知らせる努力義務が課されております。さらに未就学児を育てながら働いている労働者が子育てしやすいように会社独自の休暇制度の創設する努力義務も新設されております。

検討されている新制度の概要

 現在厚労省の労働政策審議会で検討されているのは育休の対象期間や日数、手続の簡略化、分割取得の可否、事業者の労働者への周知の義務化などとされております。また父親にも産休の制度を導入を検討すべきとの声も上がっております。産休とは出産予定日の6週間前から請求すれば取得できる産前休業と出産翌日から8週間は就業できないという産後休業があります。父親の育休の制度を拡張し母親の産休に合わせて父親も休業を取得することが可能となる制度の導入の可能性も考えられます。

コメント

 厚労省の調査によりますと、男性の育児休業の取得率は平成8年度以降徐々に増加し30年度で6.16%、31年度で7.48%となっております。しかし政府が掲げる2025年に30%とする目標値には程遠いのが現状とされております。その背景には今なお日本社会に根強く残る育児は母親の役割との考えによるところが強いと言われております。しかし欧米では父親にも産休に近い制度が導入され、フランスでは一定の期間は収入も全額保障されております。このように父親にも産休・育休を積極的に取り入れていくべきとの考えが世界的な流れとなっております。それを受け日本でも法改正などを通じて男性の育休取得を促していく方針が取られております。新型コロナによる不況や人材不足などから反対する声も依然として根強いの現状と言えますが、まずは社内での周知と理解を促していくことが重要と言えるでしょう。

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